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2010年10月、http://torikotheater.net/に移転しました! 以後更新は致しません。
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2017/11/20(Mon) 02:30:25
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結局、昨日はお昼を食べてそのまま寝てしまった。
ああ、いい天気だったのにもったいない。

昨夜は満月だというので、
否が応にも期待が高まる。
満月や大潮の日に出産が多く有るらしいので。
だが、その期待を冷たい目で眺める自分ももう既にいる。
フフフ。もうそんなことでは騙されやしねぇぜ。といった塩梅である。
悲しいスレ方だ。

激しい痛みにも、もう特に期待はしない。
寝てしまえ、といって寝てしまうことにする。
ホントに陣痛なら起こしてみやがれ、という気持ちで床につくのだ。

しかし、昨夜は何度か夜中に起こされた。
胎動がきつかった時期を彷彿とさせる。
うんうん唸っても、横で寝ている夫は起きてはくれない。
こりゃあ、相当大声でアッピールしないといかんなぁ、と思っているうちに、
治まってしまう。
へっ。

こうしてスレていくのだよ。

夜中に何度も起こされたせいか、朝全く起きれず、
寝床から夫を見送る。
そのまま昼までぐっすり。

買い物から帰宅した母に起こされて、朝食(母にとっては昼食)を取る。
バースプランの話になる。
わたしたちの出産は、夫の立ち合いでする予定。
母がわたしを産んだときは、祖母と大叔母が立ち合ったのだそうだ。
へえ、と思って話を聞いていると、

今までそんなこと一言も言わなかったのに、急に、
母に「立ち合いたい」と言われた。

陸で溺れたような気分になった。

初孫だし、いつか弟の子が出産、ということになっても立ち合いはできないし、
わたしは母にとって血を分けた娘だから、立ち合いたい。
気持ちはわかる。
わかるが、受け入れられない。
産まれてくるのは、わたしと夫の子供だ。
わたしと夫で迎えたい。

「同じ部屋にいるだけでいいから」
と母は食い下がる。

違うんだ。
そうじゃないんだよ。

「産まれてくる瞬間を見て感動したい」
と言う。

わたしはそのために産むんじゃないんだ。
ただ、この子に会いたくて、産むんだ。

どうにかこうにか断るが、
多分母は納得していないと思う。
産院に「夫のみ、他は誰も入れないでください」と伝えておくしかない。

わたしは母が好きだ。
感謝しているし、あなたの娘で良かったと思う。
だけど、これは、違う。

まだ陸で溺れているような気分のまま、
へらへらと笑って母をやり過ごす。
深海に潜ったような気分だ。

気分転換に、一人で散歩に出ることにする。
髪が多いから、すこうかな。
おいしいコーヒーを飲もうかな。
マックによってベーコンポテトパイを買おうかな。

気付くと書店で本を買っている。
マイミク、アナナンに進められていた東村アキコの「ママはテンパリスト」、谷川史子の新刊、チームバチスタの栄光上下巻、赤すぐ、ベビモ。
コミックの新刊台をチェックし、夫の会社のコーナーをチェックし、
そのまま喫茶店を探して駅前をぐるぐる。

途中、薬局によって、パウダーファンデーションを検討する。
今クリームファンデーションを使っているが、パウダーの手軽さが必要になるだろう。
シアバターも気になる。

何も買わずに薬局を出て、そのビルの三階の漫画喫茶に吸い込まれるように入る。
BECKの最終巻と吉田秋生の新刊、
内田春菊の「私たちは繁殖している」新刊などをさらりと読んでいると、
母から「何時に帰るの!?」とメールが来ている。

「ぶらぶらしてた。ごめんね」と返事をして、漫画喫茶を出るころに弟から着信。
「母がいつ帰るのかって言ってる。メールしても返事がないって」
多分、母はわたしの返信をみていない。
心配しているんだな、わかるけど、わかるけど。

帰りにマクドナルドで念願のベーコンポテトパイを買う。
メニューに載ってなくて焦る。
っていうか、おばさま店員「いらっしゃいませ」も言ってないけど、どうなのそれは。
「いらっしゃいませ」はマックの時給に入ってないの。

どうでもいいことにいらっとして店を出ると、
路上禁煙通路で目の前の青年が歩きタバコしている。
煙がめっさ顔にかかる。
ごめんなさい、タバコ復活したとしても、あれだけはしません。
だから、だから、ほんとうに、頼むから、×××くれ。
と、すごく物騒なことを思い。
すぐに中の人のことを思い。
なーんつって、××なくていいよ、と思い直し、帰宅。

夫に電話して、今日の顛末を話す。
なんだか涙が出る。
早く帰ってきてほしい、と懇願する。

後から思い返せば、どうでもいいことだらけなんだろう。多分。
いつか笑い飛ばせるんだろう、多分。

陣痛は、様々なジンクスや努力をスルーしてなかなか来てくれない代わりに、
感情が、何もかもをスルーできずに澱のように溜まっている。

澱が溜まるワインはビンテージものですごくいいやつなんだぜ、
というわけのわからない慰めを、自分で編み出す。
わたしは川島なおみか。
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